一人の男が来た



名は茂孝。やまさんとの事で

一人、部下を連れて来ていた。



やまさんは花街に行くべきでは無いと

巷で言われているようだが


来る客にやまさんは少なくなく、

男は皆、小汚い生き物だと

更に頭に植え付けられる。




食事をしている中、

私も呼ばれ、彼の元へと向かう




ス…と襖を開け

ペコリとお辞儀をする




「失礼しんす。紫乃と申しんす」





茂孝の目に私が止まる



周りには、芸をする禿や

何人もの芸者、遊女達がいた





……こいつ、遊び慣れてるのか…。