「桃…戻ったのか…」



和也は紋付袴姿で、私のそばにやって来た。



「桃がこれで、白無垢着てたら…直ぐに祝言出来るのになぁ」


「若様…こんなところで油を売ってないで…家元のそばに行かないと…」



「わかってるよ~っ」



和也は拗ねて少し口を尖らせた。



「反応が子供ですよ。若様…」



「まぁー桃…お前は母さんの後ろに控えていればいい…紹介は昼からのホテルの会食時だから」



「はい」



朝は生け始め、昼は門下生たちとホテルの大広間を借りて会食パーティ…

1日…この息苦しさに耐えないとダメみたい…