例えどんな封印を施したとて、
例えどんな策を練ったとして、
それは――
運命である限り消えぬ。
しかし。
それでも運命を変えようとする者がいた。
それでも抵抗する者がいた。
運命をねじ曲げようとすれば、
相応の罰則(ペナルティー)を食らう。
その為に惨劇は起こった。
その為に悲劇は起こった。
その為に――
罪は今もまだ巡り続ける。
いまだ、多くを巻き込んで巡回し、
やがて巡り巡って、行き着くだろう。
円環の起点に。
即ち――
罪の…原点へと。
罪は、逃れられない。
彼は――
黒い塔を見上げた。
忌まわしき塔。
虚無の黒色。
慈悲の赤色。
これの出現だけは…目にしたくなかったと、
彼は口惜しそうに唇を噛んだ。
その時、前方の人影がゆらりと揺れた。
「そろそろ――
声がかかるかと思ってたぞ」
現れた男はくつくつ笑う。
青。
何処までも冷酷なまま、単独で存在感を持つその色は…孤高の青。
その中からの澱(よど)みも、清澄さも…何1つ窺うことが出来ない。
例えどんな策を練ったとして、
それは――
運命である限り消えぬ。
しかし。
それでも運命を変えようとする者がいた。
それでも抵抗する者がいた。
運命をねじ曲げようとすれば、
相応の罰則(ペナルティー)を食らう。
その為に惨劇は起こった。
その為に悲劇は起こった。
その為に――
罪は今もまだ巡り続ける。
いまだ、多くを巻き込んで巡回し、
やがて巡り巡って、行き着くだろう。
円環の起点に。
即ち――
罪の…原点へと。
罪は、逃れられない。
彼は――
黒い塔を見上げた。
忌まわしき塔。
虚無の黒色。
慈悲の赤色。
これの出現だけは…目にしたくなかったと、
彼は口惜しそうに唇を噛んだ。
その時、前方の人影がゆらりと揺れた。
「そろそろ――
声がかかるかと思ってたぞ」
現れた男はくつくつ笑う。
青。
何処までも冷酷なまま、単独で存在感を持つその色は…孤高の青。
その中からの澱(よど)みも、清澄さも…何1つ窺うことが出来ない。

