君と紡ぐ唄2【企】


結婚して3年目

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雪の季節に珍しい夕立。
上がった空は星の綺麗な夜。
そんな夜に急に上がった花火。

「え…?」

しかも普通じゃない。
どう見てもアルファベット。

それに今日は花火大会はない。
しかも一発。
あれから上がりもしない。

「なんなのよ…。」

偶然、軒先に出しっ放しだった風鈴が落ちて、音がしたから外に出ただけ。
それだけ。
…だったはずなのに、嵌められた気がして腹が立つ。

「見た?」

嬉しそうに歩いてくるムカつく相手。
今朝、喧嘩したばかり。

「何のこと?」

「げ。見てないの?!」

「知らない。」

「嘘だろーっ。」

ヘナヘナと崩れる、ムカつく相手。
見たけど見たなんて教えてやらない。
あんなので機嫌獲ろうだなんて。
悔しいから知らない。

「何だったの?」

ワザとトボけて聴いてやる。

「…失敗したみたいだから言わない。また来年にする。」

「あ、そう。」

来年、ね。
そう言って3年目。
進歩ないなぁ。

「楽しみにしてろよ。」

「はいはい。」

毎年毎年。
よく飽きないな。
私もだけど。

風鈴だってだからワザと出しっ放し。
彼は知らないだろうけど。

毎年毎年。
何年目で気付くかな。