迷い込んだお姫さま

もうこれ以上この空気には耐えられない!!


「わ、わかりました!図書室に戻しておきます!」


そう言って大量の本をなんとか手にとった。


お、重い……


「若砂さん、ごめん。あと、くれぐれも教頭先生には見つからないように。」

「……もう時間も遅いし、見つかったらこっぴどく叱られるから。」


そうか、あの鬼のような教頭先生がまだ校舎に残ってるんだ……。


「……はい。」


「本当にごめん。それじゃあよろしく。」


先生はそう言うと、この上ないくらいのダッシュで消えていった。






「はぁ……」


あたしは一つため息をついて再び図書室へ向かった。


先生、彼女とかいなさそう……


なんてことを考えながら。