迷い込んだお姫さま

振り向くとそこには、なぜかかなり息を切らした村仲先生がいた。


「ちょうどよかった……」


先生の手には、何段にも重ねられたたくさんの本があった。


「なんですか?」


あたしが聞くと、先生は呼吸を整え話し始めた。


「この本を、図書室に戻しておいてほしいんです。」


そう言ってその軽く二十冊はある本をあたし達に差し出した。


「……自分でやって下さい。」


明らかに面倒くさそうな顔をしている理夜くんが、鋭く言った。


理夜くん、先生にそんな態度とっちゃだめだと思う……けど、一理ある……。