――


「それでは、各クラスに本を届けたら自由に解散してください。」


真面目そうな図書委員長の言葉で、生徒達は一斉に自分のクラスに散らばっていった。




残りの仕事は、朝読書用のクラス文庫の本を選び、それぞれ自分のクラスに持っていくというものだけだった。




「これで終わり……っと。」


あたし達も仕事を終わらせ、早く寮へ行こうと教室を出た時……


「あ、若砂さんと芳兼くん!」


誰かに呼び止められてしまった。