「妃禾ちゃん、帰ろ。」


いつもならここで

「うん。」

とか言って一緒に寮に向かうんだけど……。


「ごめん、今日委員会なんだ。」


今日は図書委員会がある日。


本当は一緒に帰りたいんだけどね。


「そっか、わかった。……あれ……ってことは、理夜と一緒!?」


いきなり大声をだした勇ちゃん。


「え、それが……何?」


「妃禾ちゃん、僕も一緒についていくよ。」


すごく心配そうな顔をした勇ちゃんがそう言った。


「え?いや、いいよ。」


「いやいや、ついてく!あんな狼と妃禾ちゃんを二人っきりにはさせたくない!」


あ、そういうことか……