笑顔



そう。あたしは理夜くんに楽しんでほしくて、理夜くんに笑顔になってほしくて。


だから、頑張るしかない。



「ふー。よし、行こう!」



あたしはありったけの勇気を振り絞って、震える手を抑えて、恐怖の館へと足を踏み出した。



すると、



「え……」



理夜くんの手があたしの手を掴んだ。



理夜くんはあたしを見てニヤッと笑って歩き出した。