「でもあいつ、本当はいい奴だから。」


「はい。見ててなんとなくわかりました。」


あたしはうんうんと頷く。


「え!?見ててわかったの?」


橋村くんは目を丸くして驚いている。


「……はい。まあ、人間に悪い人はいませんから。」


「やっぱり妃禾ちゃん、面白いね。」


今度はニコッと笑った。


かっこいい。


「そうですか……?」


「うん。妃禾ちゃん今日から友達ね。」


わ、友達二号目だ。


「はい!よろしくお願いします。」


「俺のこと、蓮って呼んで。」


男の子呼び捨てですか……


「うーん……じゃ、蓮くんって呼びます。」


「うん、なんかあったらすぐ呼んで?俺、三つ隣の部屋だから。」


おおー、なんかたくましい。


「はい。」


「じゃあね。」


『バタンッ』


扉がゆっくり閉まった。