「妃禾ちゃん、入ってもいい?」




不意に教室に帰ったと思っていた勇ちゃんの声がした。



「あ…うん。」







…………。








「…大丈夫だよ。



そんなに落ち込まなくても。」





優しい言葉とともに、勇ちゃんの温かい手があたしの頭にのっかる。




「大丈夫大丈夫。」




その言葉に、あたしの目に自然と涙が溢れてくる。