迷い込んだお姫さま

あたしの目に映った横顔は、理夜くんのものだった。



「あ…大丈夫です。」



跪いた理夜くんは一番近くのお客さんに笑顔で声をかけた。



え…あ…




諒真くんと京磨くんが素早く床を拭き、蓮くんは他のお客さんに声をかける。




あたしが紅茶をこぼしたことがまるで嘘のように、みるみる元通りになっていく教室。




あ…







「妃禾ちゃん。行こ。」