「早く。」




あたしが体を横に動かすと、逃がすまいと理夜くんは壁に手をついてあたしを閉じ込めてしまった。




「ちょっ!周りに人たくさんいるよ!」




「呼ぶまで放さねぇ。」




だから、なんでそんなに呼び捨てにこだわるかなぁ……?





「……。」




少し反抗してみたくなった。




「じ、じゃああたしも、なんで呼び捨てで呼んでほしいのか答えるまで言わない。」