迷い込んだお姫さま

「それじゃ、俺、行くわ。」




成生は出口に向かって歩き出す。



去り際にあたしに耳打ちをして行ってしまった。





「はぁ……」





嵐が去った……





辺りを見回すと、お店にいるほとんどの人があたしを見ていた。




「あ、お騒がせしました……」




二方向に分けて頭を下げると、店内は徐々に通常営業に戻っていった。