「嘘。」



「え、」



ニヤけてないんかい!


一安心するあたし。



「でもお前、ずっと見とれてたろ。」



理夜くんは、次のエスカレーターに乗り換えながらそう言った。


「えーっと、見とれては……」




「見とれるのは、俺だけにしろよ。」





え……?




理夜くん、今……




「なんて、彼氏っぽかった?」




「……はい?」




「恋人に見えないと、また女がよってくるだろ。」