迷い込んだお姫さま

「どこ行く?あんま時間ないけど。」


「え?」


「どっか行きたくねーの?せっかくのデートなのに。」


理夜くんはあたしの顔を覗き込んだ。


「あ、え、えーっと……」



どっかって、どこ行けばいいんだろう?


すぐ思いつかない……



「あ、そういえば文化祭で使う飾り、足りないとか言ってたっけ。」


理夜くんがふと呟いた。


「あ、じゃあそれ買いに行こっか。」