迷い込んだお姫さま

「いや、彼氏では……」


あたしが否定しかけた時、


「みゆきー!」


見事に声が掻き消されてしまった。


みゆきと共に声のする方を見ると、一人の同い年くらいの男の子がいた。


誰だろ?


イケメンだけど。



あ!もしかして…


「あ、妃禾ごめん。行かなきゃ。またね!彼氏と上手くやりなよ!」


みゆきは早口にそう言うと、走ってその男の子の所へ行ってしまった。


彼氏じゃないって……。