「誰にでも、キスするんだもんね……。」



俯きながら、無意識にそう呟いた。



「何?」


理夜くんがこっちを見た気がする。


「何でもない。」


あたしは首を振った。




周りから見たら、あたし達ってカップルに見えてるのかなぁ…?


だったら、おこがましいよね。


さっきから、通りすぎる人達はみんな理夜くんのこと見てる。


やっぱりあたしは、嘘でも理夜くんの彼女になんかなっちゃいけないんだ。