迷い込んだお姫さま

勇ちゃんが忘れ物を取りにきたらしい。


改めて勇ちゃんに感謝。






もし勇ちゃんがしつこくチャイムを鳴らしてくれなかったら――





あたしは、どうなっていただろう……?





そんなことを考えていると、だんだん足音が近づいてくるのに気づく。



勇ちゃんだ。


あたしは軽く身だしなみを整え、何事もなかったかのようにソファに座り直した。