迷い込んだお姫さま

しょうが焼きのいい匂いが漂うこの空間の中、活力が感じられるのはあたしと蓮くんだけ。


他のみんなは、何時間にも及ぶマンガとの闘いにギブアップして、眠りについてしてしまった。


さっきやる気ゼロだった理由は何となくわかった。


蓮くんは夕飯を作っていて、


あたしは、まだ蓮くんのマンガのお手伝いをしている。


作業が楽しすぎて手が勝手に動く。


「妃禾ちゃん、もう終わりにしていいよ?」


蓮くんが台所から顔を覗かせた。