「蒼太!」
綾瀬先生と砂遊びに夢中になっている蒼太の名前を呼んだ。
蒼太がこちらを向く。
俺を見た途端、笑顔になる。
「パパ!」
蒼太は持っていたプラスチックのスコップをその場に置いて、俺の元に走って来ると、思いっきり抱きついた。
「おかえりなさーい!」
綾瀬先生が笑顔でそう言って、俺の側に来る。
「蒼太くん、今日も良い子でしたよ」
「そうですか」
“今日も”と言われても昨日のことは俺にはわからない。
でも、そう無難な返事をした。
「蒼太くん?カバンは教室の中にあるので、取りに行きましょうね」
綾瀬先生が蒼太の目線に合わせて膝を折り、そう言うと蒼太の頭を撫でた。
「はい!」
蒼太は手を上げて元気良く返事をする。
「お父さんも一緒にどうぞ?」
「あ、は、はい……」
俺は蒼太と手を繋いで、綾瀬先生の後ろをついて歩いた。
園庭にいた井戸端会議中の母親達はまだいる。
やっぱりこちらを向いてジロジロ見たあと、顔を突き合わせヒソヒソしていた。



