「わかんねぇ!綾菜の行動が」
俺は頭を抱え、髪の毛をクシャクシャとした。
「まぁ、落ち着けって!」
「あ、あぁ……悪い……」
「まぁ、晴翔の気持ちもわからんでもない。付き合ってる彼女に妊娠したと言われるのとは違って、いきなり4歳児の父親だもんな」
「あぁ……でもさ、綾菜が育児放棄して、蒼太を俺に託したわけだし。ほっとくわけにはいかないだろ?俺にも責任はあるわけだし……」
「そうだな」
尊は最後に味噌汁を飲んで、箸をお盆に置いた。
俺も全て食べ終え、箸をお盆に置く。
「まぁ、あれだ。俺も協力するからさ。なんかあったらいつでも連絡してきてよ」
「ありがとな」
尊は大学時代は、ただの友達でグループメンバーの1人ってだけの存在だった。
グループで遊んではいたけど、それぞれ仲の良い友達もいて、尊とは2人きりで会うことはなかった。
でも今、久しぶりに会って初めて2人きりで話をして、俺の中で尊は友達以上の関係になれそうだと思っていた。



