「由斗が晴翔の子供だったりしてって、冗談っぽく言ったから、あぁ、確かに時期的にそうかもしれないなって笑いながら言い合ったんだけどな」
尊はそう言ってクスッと笑い、牛丼を食べ始める。
もし、尊に本当のことを言ったら、どういう反応を見せるんだろうか。
「なぁ、尊?」
「ん?」
「もし、ある日突然、自宅の玄関前に子供がいたらどうする?」
「はっ?」
牛丼を食べていた尊の手が止まる。
「で、アナタの子供です。って手紙に書いてあったらどうする?」
「ちょ、ちょ、ちょっと待て!どういう事だよ?」
「どういう事って、そういう事だよ」
俺がそう言ったあと、しばらくの沈黙が続く。
「…………あぁ!!」
突然、大声を出す尊。
フードコートにいた人たちが俺たちに注目する。
「デカイ声出すなよ」
「す、すまん……って、晴翔、まさか……」
「その、まさか、だよ。俺も信じたくねぇけど、綾菜が連れていた子供は俺の子だ。多分。で、今、その子は俺のところにいる」
「えっ?何で晴翔のとこにいるんだよ?」
俺は尊に全て話した。
今朝、起こったことを全て。



