「蒼太の母親はどうしてました?」
「蒼太くんのお母さんは、日曜日はお休みみたいでしたけど、でもどうしても出勤しなきゃいけない時は知り合いに頼んでたみたいですよ」
知り合い?
それは男か?女か?
てか、何でそんなことが気になるんだよ。
もう5年も前に別れた彼女なのに……。
「なんか、私、ベラベラしゃべり過ぎましたね」
綾瀬先生はそう言ってクスリと笑った。
「いえ……」
「で、ですね。みなさんに毎週金曜日か土曜日にお昼寝用の布団カバーを持って帰って頂いて、それを洗濯して毎週月曜日に朝持って来て頂いて、そのカバーをお布団にかけて頂いてます」
「えっ?そうなんですか?」
「えぇ」
「わかりました……」
一瞬、面倒臭いと思ってしまった。
でもそれを綾菜はやってたんだよなぁ……。
出勤前の忙しい時間に。



