「ねぇ、晴翔?」
「ん?」
「私ね、蒼太を返して欲しいって言った時にね……」
「うん」
「晴翔が私と結婚してくれるんじゃないかと、ちょっとだけ期待しちゃったんだよね……」
「えっ?」
綾菜の突然の告白に、俺は何を言っていいのかわからなかった。
「変なこと言ってゴメンね」
綾菜はそう言って少し困った顔をして笑った。
「いや……」
「蒼太にはパパもママいるんだから、晴翔と結婚して本当の家族になれたら、なんて思ったの……」
「ゴメン……」
俺は綾菜に謝ることしか出来なかった。
「謝らないでよ」
綾菜はそう明るく言って俺の肩を軽く叩いた。
確かに綾菜と結婚して家族になる選択肢はあった。
今井にもそう言われた。
でも、俺は……綾菜に愛はないんだ……。
蒼太のためだけに結婚しても、綾菜を傷付けることになる。
それに俺は……。
その時、メリーゴーランドの音楽が鳴り止んだ。



