『えっ?なんで?』



綾菜の口から出た意外な言葉。


賛成してくれると思っていたのに。



「ダメか?」


『ダメじゃない……ダメじゃないけど……』


「ダメじゃないけど、なに?」


『私に、ちゃんと蒼太を渡してくれる?』


「えっ?」



綾菜の言った意味がわからない。



『3人で遊んで、やっぱり蒼太を手放したくないとか言わない?』


「…………あぁ、言わない」


『ホントに?』


「あぁ、ホントに」


『わかった。じゃあ、いいよ』


「うん……」



本当は蒼太を手放したくないよ。


それが俺の本当の気持ち。