「保育園!」 蒼太がいきなりそう叫けんだ。 保育園? あぁ、そっか……。 さっき綾菜も電話で保育園とか言ってたな。 「保育園、行く!」 蒼太はそう言って、俺の手をギュッと握った。 小さな手が俺の手をギュッと握り、温かさが伝わってくる。 不覚にも胸にキュンとしたものが込み上げてきた。 保育園と言われても……。 場所も名前もわからない。 リュックの中には保育園に関係するものなんて入ってない。 蒼太に聞いたらわかるのか? また綾菜に電話して聞く? でもな……。