「そうですか……」


「あぁ」


「先生がそう決めたのなら、私は何も言いません」



今井はそう言って、弁当箱に目を落とした。


蒼太が可愛くないわけじゃない。


でも、4年一緒に暮らした綾菜と、ほんの数ヶ月しか一緒に暮らしてない俺。


それに蒼太は綾菜の言ったことを信じて、迎えに来るのを待ってる。


だから蒼太の気持ちを尊重して、綾菜に蒼太を返すことにした。


今日にでも綾菜に連絡しないとな……。


それから蒼太にも話さなきゃ。


俺は澄み渡った空を見上げた。