次の日、昼休みに校舎裏に行くと、今井の姿を見つけた。
「昨日は、ありがとうな」
弁当を食べていた今井にそう声をかけ、隣に座る。
「いえ。今日は姉と子供たちでお菓子作りをするみたいですよ。何を作るのか教えてもらえませんでしたが」
「そっか……」
今日の朝、今井からメールが届いた。
お姉さんがいるから妹と弟は保育園を休ませるけど、蒼太も休ませていいかという内容だった。
もちろん承諾して、保育園には休むことを電話した。
「ところで、先生、答えは見つかりましたか?」
「うん、まぁ……」
昨日、あれから帰ってから、どうすればいいのかずっと考えてた。
「その答えを聞いてもいいですか?」
「蒼太を彼女に返すことにしたよ」
そう、それが俺の出した答え。