今井の家に着き、玄関が開けられたと同時に蒼太が走って来て、俺に抱きついてきた。
蒼太をギュッと抱きしめる。
離したくない……。
そんな感情が込み上げてきた。
「先生?」
「えっ?あ、ん?」
蒼太を抱きしめたまま返事をした。
「何か、ありました?」
「えっ?」
「いや、何となくそんな感じがしたので……」
鋭いな。
今井にまるで心の中を見透かされてるみたいだ。
「あー……うーん……」
何で何もないと言えないのか。
曖昧な返事をしてしまうと、余計に何かあったと思われるだろ。
「香恋?」
その時、リビングのドアから今井の名前を呼びながら1人の女性が出て来た。
今井によく似た女性。
その女性は両手に妹と弟と手を繋いでいる。
「あ、姉です」
今井の隣に並んだ女性は今井のお姉さんだった。



