今井の家の前に車を停めた。


爆睡している妹と弟を起こすのも可哀想だ。


だから今井は妹を俺は弟を抱っこして、家の中まで連れて行った。


初めて入る今井の家。


玄関は吹き抜けになっているし、リビングは俺の家の倍はあるんじゃないかと思うくらい広い。


しかも小さい子が2人もいるとは思えないくらいリビングは片付いていて、インテリアもとてもシンプルだった。


リビングに併設された和室に弟を下ろした。



「重かったでしょ?ありがとうございました」


「いや。じゃあ、蒼太が車にいるから俺はこれで」


「はい」



そう言ってリビングを出た。


今井も俺の後をついてリビングを出て、玄関まで来てくれた。



「今日は本当にありがとうな。助かったよ」


「お役に立てて良かったです」


「今井?」


「はい」


「前にも言ったけど、何かあったらいつでも言って来いよ?電話でもいいし。話しにくかったらメールでもいい。いつでも相談に乗るから。絶対に1人で抱え込むなよ」


「ありがとうございます」


「じゃあ……また、夏休み明けにな……」


「はい」



俺は今井に笑顔を見せ、今井の家をあとにした。