「永久就職なんかしませんよ?香音と空斗が独り立ちするまでは結婚する気なんてありませんし。そもそも相手もいないのに、どうやって結婚するんですか?」
「うん、まぁ……そうだな……」
俺は苦笑いすることしか出来なかった。
今井の妹と弟が独り立ちするまでって……。
母親はいないけど、父親はちゃんといるのに。
海外で仕事をしてると言っても育児をする義務があるわけで。
それに成人した姉と兄もいる。
なのに高校生の今井が全て面倒を見てるなんて……。
今が一番楽しい時を妹と弟の世話で追われてるなんて。
「香音と空斗は来年は小学生ですが、学校から帰って来た時に家にいてやりたいんです」
「うん……」
「2人が中学生くらいになったら仕事を見つけようかと……。だから今は大学にも行く気も就職をする気もありません。生活費は毎月、父親から送金があるので大丈夫です」
「そっか……」
自分のことより妹と弟のことが優先なのか。
仕事や大学があるからと、妹と弟の面倒を全て今井に任せている父親や姉や兄に、なぜかムカついていた。
今井が笑顔を見せないのは、この歪んだ家庭環境が原因なんだろうか……。



