「…………ゴメン、なさい」
そう呟くように言った綾菜は怯えたような顔をしていた。
「綾菜が友達に会って欲しいと言ったので来たのですが、まさか男とは……」
なるほどね。
そう言って綾菜は、この男を連れ出したんだ。
そこでアイスコーヒーが運ばれて来た。
それぞれの前に置かれるアイスコーヒー。
男はミルクとガムシロップを入れて、ストローでクルクルかき混ぜる。
「あなたをお呼びしたのは、話があるからです……」
「話?それはどういった……。申し訳ありませんが、仕事に行かないといけないので、手短にお願いします」
「すぐ終わりますよ。彼女に子供がいるのは知ってますか?」
「えぇ。4歳の男の子が1人いるとは聞いてます」
「そうですか……」
「それが、あなたに何の関係があるんですか?」
男はそう言って、アイスコーヒーを一口飲んだ。
さっきよりも、あきらかにイライラしてるのがわかる。
「関係ありますよ」
「はい?」
「僕が、その子供の父親ですから……」
俺がそう言った時、男は目を見開き俺を見ていた。