「じゃあ、いつなら会える?」
「来週の土曜日なら……」
「わかった。それまでに金を用意しとく。来週の土曜日の11時に、このカフェで待ち合わせしよう。大丈夫か?」
「うん……」
「なぁ、綾菜?」
「ん?」
「もし身の危険を感じたら、すぐに俺に連絡して来い。それが無理なら警察に飛び込め」
「わかった……」
頼むから、それだけは約束してくれ。
綾菜に何かあったら蒼太が悲しむから……。
蒼太を悲しませることだけは、もうしないで欲しい。
「晴翔?」
「ん?」
「本当にいいの?」
「何が?」
「お金……」
「あぁ」
「ありがとう。必ず返すから」
「いらない」
「えっ?」
「200万で綾菜が自由になれるなら安いもんだよ。綾菜には幸せになる権利がある。そんな男とさっさと別れて幸せにならなきゃな」
「晴翔……」
なんてカッコイイこと言ったけど、俺は綾菜にもう一度付き合って欲しいとか、結婚しようとか言えなかった。
一度は本気で愛した女だし、俺の子供を産んだ女だ。
それに綾菜を助けてやりたいと思った。
だけど、なぜかその言葉だけは言えなかった。



