「どうして謝るんですか?」
「あ、いや、変なこと聞いちゃったから……」
「そうですか」
今井はそう言って、空になった弁当箱をハンカチに包む。
「もしかして、俺がここにいるのって迷惑?」
「いえ、迷惑とか思ってませんけど?もし先生が迷惑なら、私はここに来るのをやめますけど?」
「迷惑だなんて全然思ってないから」
「そうですか」
今井は弁当箱を持って立ち上がった。
「あっ、先生?」
「ん?」
「来週の土曜日、保育園の夏祭りがありますが、行きますか?」
「えっ?そうなのか?」
「はい」
「時間があったら行こうかな……」
夏祭りがあるなんて知らなかった。
今井が教えてくれて良かったよ。
「今井は行くのか?」
「はい。香音と空斗が毎年楽しみにしてるので」
「そっか」
「じゃあ、私は教室に戻ります」
「あぁ」
今井は頭をペコっと下げると、教室に戻って行ってしまった。



