「深山さん、すみませんでした!」



綾瀬先生が頭を下げてきた。



「えっ?」


「片方の話だけ聞いて、それを信じて……私、保育士失格ですね……」


「そんなことないですよ。蒼太とれいなちゃんも仲直りしましたし、良かったです」


「ありがとうございます」


「じゃあ、僕たちもこれで失礼します」



俺はその場から立ち上がり、蒼太の手をギュッと握った。



「はい。お忙しい中、ありがとうございました」



綾瀬先生はそう言って頭を下げた。


俺と蒼太は、もう一度挨拶をすると保育園をあとにした。