「蒼太、ゴメン!」 「う?」 「パパな、弁当のこと忘れてて作ってないんだよ」 「えー!」 蒼太の驚きの声が部屋中に響き渡る。 「申し訳ないけど、コンビニのおにぎりでもいいかな?」 蒼太は少し考えるように下を向く。 嫌だと言われたら、どうしようか……。 「その代わり、晩ごはんを蒼太の好きなもの作ってやるから」 「ホント?」 蒼太が顔を上げる。 「ホント」 「じゃあ、いいよ!」 蒼太はそう言って、俺に抱きついてきた。 良かった。 それでも嫌だと言われたら、どうしようかと思ったよ。