「蒼太もこう言ってるし。なっ?」
そう言ったけど、今井は戸惑った顔をしている。
「パパの作るご飯、美味しいよ!でもね、時々、まずい」
「…………ぷっ」
蒼太の言葉に今井が吹き出す。
ほとんど笑顔を見せたことない今井。
初めてスーパーで会った時以来かもしれない。
「先生?」
でもその笑顔は一瞬だけで、すぐにいつものように無表情に戻った。
「ん?」
「もし良かったら、私が作りましょうか?」
「えっ?」
「ご迷惑でなければ……」
「いいのか?」
「はい。私もたいしたものは作れませんが」
「じゃあ、お願いしようかな」
「はい」
まさか今井がそんなことを言うなんて……。
少しビックリした。



