ダイニングテーブルに座った今井は背筋をピンと伸ばし、真っ直ぐ前を見ていた。
蒼太と今井の妹と弟は、リビングでテレビを見たり踊ったりして賑やかに遊んでいる。
俺はキッチンでお茶の用意をしていた。
お湯が沸き、ティーバッグの入ったマグカップに注いでいく。
ティーバッグを取り出し、それを持ってダイニングテーブルに置いた。
「どうぞ?」
「ありがとうございます」
「砂糖とミルクは?」
「結構です」
今井はそう言って、マグカップを口元に持っていくと、フーフーと息を吹きかける。
その姿を見て、俺の胸がドクっと高鳴った。
ほんのり赤い唇で紅茶を啜って飲む姿。
高校生とは思えない落ち着きと大人っぽさがある。
「パパ!ジュース!」
「えっ?あ、うん。ジュースな」
冷蔵庫から子供用の小さな紙パックに入ったジュースを取り出し、ストローを挿して蒼太に渡した。
「今井?」
「なんですか?」
「妹と弟もジュースでいいか?」
「はい。あっ、でもお構いなく」
俺は蒼太に同じ紙パックのジュースを2つ渡して、今井の妹と弟に渡すように言った。



