マンションの前に着いた。
その前に立ち止まると、今井も一緒に立ち止まった。
「お茶でも飲んで行く?」
俺はマンションを指差してそう言った。
「えっ?」
いつも無表情の今井が目を見開いて、俺を見る。
「…………あ、いや、ゴメン」
俺は何を言ってるんだ。
生徒を家に誘うなんて。
別に変な意味はない。
ただ、お礼がしたくて言っただけなのに、今井に変な誤解されてたらどうしよう……。
「私はここで……」
「じゃあ、送って行くよ」
「いえ、大丈夫です。蒼太くんを早く寝かせてあげて下さい」
「…………でも、やっぱり女の子を1人で帰らすわけにはいかないから」
俺がそう言うと、今井は少し肩を揺らして驚いた顔を見せた。



