「俺は俺なりに頑張ってるのにさ。周りからいろいろ言われて……。そのイライラが募っていって、蒼太にワガママ言われてカーッとなって……俺って父親失格だよな……」
もし、綾菜のお腹にいる時から蒼太のことを知っていたら……。
昨日みたいに感情に任せて蒼太を怒鳴ったりしなかったかもしれない。
「私には蒼太くんと先生との間に何があったのか知りませんが、先生は父親になって数ヶ月なんです。感情的になるのは別におかしなことではないと思いますし、蒼太くんを怒鳴ってしまった事を後悔しているので父親失格とも思いません」
「今井……」
「さっきも言いましたが、私は妹と弟を生後2ヶ月から世話してるんです。あの子達が母のお腹にいた頃も、もちろん知ってます。そんな私でも感情的になることもありますよ」
「そっか……」
「親だって人間なんです。自分を責めないで下さい」
「ありがとうな……」
生徒である今井。
教師である俺。
俺は生徒の悩みを聞く立場でもあるのに。
今井に蒼太のことを話して、今井の意見を聞いて少し晴れやかな気持ちになってる俺がいる。
教師という立場なのに情けない……。



