「蒼太と、ちょっとな……」
俺はそう言って溜息を吐き出した。
「蒼太くんって、先生の息子さんの……」
「えっ?う、うん……」
蒼太と買い物行った時に、今井と会って、そこで蒼太が俺のことを“パパ”と呼んでしまったために、今井にバレてしまったんだよな……。
まぁ、今井は人に秘密をベラベラ喋るような奴ではないから安心はしてるけど。
「ケンカでもしたんですか?」
「ケンカって言うか……うーん、まぁ、そんなとこかな……」
「理想論だけで子育ては出来ませんよ」
「はっ?」
こいつ、本当に高校生か?
今井を見た。
でも今井はこちらを見ることもなく、真っ直ぐ前を見たままだ。
「産まれる前は、あんなことしてあげたい、こんなことしてあげたいって思うんですよね」
「えっ?」
「でも産まれてみたら、理想と違うんですよ」
今井の双子の妹と弟って、本当は今井が……。
「香音と空斗は私が産んだんではないですけど」
今井は俺の考えてることがわかったのか、俺をチラリと見てそう言った。



