俺は母子手帳をペラペラ捲った。
綾菜の可愛い字で書いてあるページに目が止まった。
妊娠の初診日の欄のとこに書いてある日付を見て、俺の胸が再び“ドクンッ”と跳ねた。
1月7日――。
今でも鮮明に覚えている。
綾菜に別れを告げられた日だ。
もしかしたら妊娠したかもしれないと気付き、妊娠しかもしれない事を告げられなくて1人で悩んでいたのかもしれない……。
そして1月7日に病院に行って、妊娠していることがハッキリわかった。
でも、俺の態度を見て知っている綾菜は、悩んだ末に1人で産む決意をしたのかもしれない。
だから別れを告げられた日には、もう……。
俺はテレビの前にいる子供に目を移した。
この子は綾菜のお腹の中にいたんだ……。



