「遅くなって、すみません!」



今日も迎えは19時を過ぎていた。



「おかえりなさい!」



綾瀬先生が笑顔で出迎えてくれる。


俺が延長保育を頼まなかったら、綾瀬先生は早く帰れるのに……。


毎日、蒼太1人のために残ってくれている綾瀬先生に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。



「パパ!」



蒼太が抱きついて来る。



「毎日、お仕事忙しいんですね」


「えぇ……」



俺は蒼太に上着を着せながらそう返事をした。


綾瀬先生から蒼太の荷物を受け取る。



「あまり無理なさらずに」


「ありがとうございます」



無理したくないけど、無理しないと仕事がいつまでも終わらないんだよなぁ……。


綾瀬先生に挨拶して、帰ろうとした時……。



「深山さん、ちょっとお時間いいですか?」



園長にそう声をかけられた。