「親父やお袋が信じられない気持ちはわかる。俺も最初はアナタの子ですと言われた時には信じられなかったから。だから蒼太を受け入れろとは言わない」
「晴翔……」
そう言ったお袋の目には涙が溜まっていた。
それは自分の息子が外でやってきたことを情けなく思っているのか。
「ここは田舎で噂も広がりやすい。それに尾ひれがついて変な方向にいくかもしれない。そうなると親父やお袋、兄貴や理子さん、夏美に迷惑かけてしまう。だから絶遠すると言われたら、それを受け入れる覚悟も出来てる」
「晴翔、子供を施設に……」
「考えてないよ」
俺はお袋の言葉を遮るようにそう言った。
「でも、晴翔……何もお前が犠牲に……」
「俺の子なんだよ。俺には蒼太の面倒を見る義務があるんだよ。最初は正直、鬱陶しいと思ってた。自分の子だと認めたくなかった。でもな、約1ヶ月一緒に暮らしてきて、パパって呼ぶ蒼太を見てると、最近は可愛いと思うようになってきたんだ」
みんなが憐れみの目で俺を見ている。
「辛気臭い空気にして申し訳なかった。俺の話は以上です」
俺は頭を下げて、立ち上がろうとした。
「どこ行くんだ?」
親父は俺と目を合わせずにそう言う。
「帰るよ」
「明日も休みだろ?今日は泊まって行け」
「でも……」
「いいから」
親父は最後まで目を合わせようとはしなかった。



