「ただいまぁ……」
横開きの玄関を開ける。
奥からパタパタと音を立てながら走って出てきたのは、5歳年の離れた妹の夏美(ナツミ)だった。
「お兄ちゃん、おかえり〜…………って、ん?」
笑顔で出迎えてくれた夏美は、蒼太に目を向けると顔から笑顔が消えていた。
蒼太は咄嗟に俺の後ろに隠れるように腰に抱きついてきた。
「えっ?えっと、ちょっと!お母さーん!お兄ちゃんが子供連れて帰って来たー!」
夏美はそう言いながら、またパタパタとスリッパを鳴らしながら走って奥に消えていった。
「パパ……」
腰に抱きついた蒼太は今にも泣き出しそうな顔で俺を見ている。
俺は笑顔を見せて、蒼太の頭を撫でてやった。



