オムライスを食べてると、テーブルに置いてあったスマホの着信音が流れだした。
画面を見ると“実家”の表示。
「蒼太?いい子でご飯食べててくれ」
俺は蒼太の頭を撫でると、スマホを持ってリビングを出た。
いつもならすぐに出るけど、蒼太がいると、もし蒼太が声を発したらと考えた。
リビングを出た廊下。
「はい」
スマホの通話ボタンを押して電話に出た。
『あ、晴翔?母さん』
お袋の声を聞くのは正月に帰省した以来だ。
「うん。何か用?」
『明後日のおじいちゃんの7回忌、忘れてないでしょうねぇ?』
「…………えっ?あ、あぁ、忘れてないけど?」
やべぇ、本当は完璧に忘れてた。
『悪いんだけど、準備とかあるから早目に帰って来て欲しいんだわ』
「えっ?」
どうしよう……やべぇよ……。
俺1人なら速攻で承諾するけど、蒼太がいるしなぁ……。
「あのさぁ、じいちゃんの7回忌、絶対に出なきゃダメ?」
『何言ってんの?当たり前でしょ?あんた、孫の中で一番可愛がってもらったんだから。何か用でもあるの?』
「いや、別に用はないけど……」
じいちゃんに可愛がってもらったのはわかる。
俺だって、じいちゃんの7回忌に行きたいよ。
でもさ……。
『じゃあ、帰って来なさいよ』
「うん……」
『頼んだわよ!早目にね!』
「…………あ、お袋!」
『何?』
「あのさ、もう1人連れて帰るから……」
『はっ?誰?彼女?』
「うん、まぁ……明後日わかるから……」
『お父さんに知らせなきゃ!それからお膳も、もうひとつ用意しなきゃね』
お袋は独り言のようにそう言って電話を切った。
絶対に彼女だと思ってるよ。
蒼太を連れて行ったら、どんな反応すんだろ。
いきなり、あなた達の孫ですと言った時の反応が怖い。



