門を出たところで今井を見つけた。
なぜ今井が保育園にいたのか、その理由がわかった。
今井の右手に女の子、左手に男の子の手を握り歩いていたから。
「今井!」
俺が呼ぶと、今井は肩をビクンと揺らし立ち止まった。
ゆっくりこちらを振り向く。
スーパーで会った時には肩まである髪を後ろでひとつで結んでいるのに今日は髪を結ばずに下ろしている。
その姿にドクンと胸が跳ね上がる。
「何でしょう?」
相変わらず無表情の今井はそう言った。
蒼太は今井と手を繋いでいる子供を知っているのか、俺の手を振りほどいて、その子達の側に行った。
「その子達……」
まさか……。
「妹の香音(カノン)と弟の空斗(ソラト)です。私が産んだわけではないです」
「そうなんだ」
俺、てっきり……。
今井に心の中を見透かされたような気がして、恥ずかしくなった。