職員室では何人かの先生が仕事をしていて、綾瀬先生にソファに座るように言われ、ソファに座った。
「コーヒーでいいですか?」
「えっ?あ、あぁ、はい……」
綾瀬先生は職員室の隅にある棚の側でコーヒーを淹れ、それとお菓子を持って来てくれた。
「インスタントですけど、どうぞ?」
「いただきます」
ミルクも砂糖も入れず、ブラックのままコーヒーを一口飲む。
向かいに綾瀬先生が座った。
「半日、参加保育してみてどうでしたか?」
「疲れました……」
「みなさん、そうおっしゃいますよ」
綾瀬先生はそう言ってクスッと笑う。
「まだ高校生相手の方が楽ですね」
「そうなんですね。でも深山さんって先生に見えないですよね」
「はい?」
また夜の商売の方が合ってるとか言われるのか?
「あっ!変な意味じゃなくて、俳優さんとかモデルさんでも通じるって言うか……」
「はぁ……」
なんだ、それ。
「まぁ、そういうことです」
意味わかんねぇよ。
「でも、公園で桜の話をした時は、学校の先生なんだなぁと思いました。自分の高校時代を思い出しました」
困った顔してたくせに、よく言うよ。
「綾瀬先生、高校時代に先生が好きだったとか言ってたもんねぇ」
パソコン作業をしていた他の先生がそう言ってケラケラと笑った。
「ちょ、やめて下さいよ〜!」
綾瀬先生はパソコン作業をしていた先生に向かってそう言って恥ずかしそうに笑った。
「あ、で、でですね。深山さんに今日の感想を書いて頂きたいんですよ」
綾瀬先生は慌てたようにテーブルに1枚のプリントと鉛筆を置いた。
「感想、ですか?」
「えぇ、何でも結構です。思ったことをそのまま書いて下さい」
「わかりました」
「私はお昼寝の様子を見て来るので、ゆっくり書いて下さいね」
綾瀬先生はそう言って、職員室を出て行った。



