「嫌だ!パパと遊ぶの!」
蒼太はグイグイと手を引っ張る。
「…………わかったよ」
俺は溜息混じりにそう言ってベンチから立った。
喜ぶ蒼太とおままごと仲間たち。
「で、何して遊ぶんだ?」
「鬼ごっこ!蒼ちゃんのパパが鬼ね」
そう言ったのは、おままごと仲間の女の子。
名札を見る。
帽子と同じ色のピンク色の名札。
そこに“れいな”と書いてあった。
あぁ、なんか、れいなって感じがするな。
「鬼はジャンケンして決めるんじゃないの?」
「蒼ちゃんのパパは大人だから鬼なの!」
大人だから鬼って何なんだよ。
まぁ、いいや。
「わかった。じゃあ、おじちゃんが鬼してやるよ」
“パパ”に続いて、自分のことを“おじちゃん”って。
年齢的にはオッサンなんだけど。
でも自分で言って悲しくなる。
「10数えてね」
「わかった。じゃあ、数えるぞ?いいか?いーち!」
俺が数え始めると、蒼太とおままごと仲間たちは一斉に逃げ始めた。



